XAMPPについて

XAMPPは、Windowsで簡単にWeb開発環境を構築できる初心者向けのパッケージです。 Apache(Webサーバー)、MySQL(データベース)、PHPなどが含まれ、手軽にインストールするだけで開発環境を構築できるのが特徴です。 XAMPPをインストールすると、MySQLも利用可能になります。MySQLはXAMPP内に同梱するphpMyAdminというツールでデータベースを操作できます。

近年、XAMPPの代わりにDockerを使う開発者も増えています。Dockerは動作環境を統一するという意味で使われ、実際の現場でもDockerを採用するケースも増えてきました。 ただ、Dockerの構築は難易度高めですので、今回はXAMPPを使用して解説します。

XAMPPの入手先

以下のサイトからXAMPPパッケージ(Apache ディストリビューション)をダウンロードできます。 OS別にパッケージが用意されています。自分のパソコンのOSに対応したパッケージをダウンロードしましょう。

https://www.apachefriends.org/jp/download.html

XAMPPパッケージの選び方

XAMPPは、使用するPHPのバージョンに合わせて選ぶのがポイントです。

用途に応じて適切なバージョンを選ぶことで、よりスムーズな開発が可能になります。

XAMPPのインストール

  1. ダウンロードしたインストーラー(例:xampp-windows-x64-8.2.12-0-VS16-installer.exe)をダブルクリックして実行
  2. インストールの流れは画面の指示に従って進めるだけでOK(「Next」をクリックしてインストールを進める)。
  3. インストール先はデフォルトの C:\xampp のままで問題なし
  4. コンポーネントの選択画面 で、以下の必要なものだけを選択:

XAMPPのコントロールパネルを開き、ApacheとMySQLを起動しよう

XAMPPのコントロールパネルは、Windowsのスタートメニューにあるので、そこから開くことができます。

また、以下の実行ファイルからもコントロールパネルを起動できます。(C:\xamppにインストールした場合)

C:\xampp\xampp-control.exe

1. XAMPPコントロールパネルが開けたらApacheとMySQLを起動しましょう。

  1. Apacheの「Start」ボタンをクリック。
  2. MySQLの「Start」ボタンをクリック。
  3. 数秒待ち、ラベルが緑色になれば正常に起動。

  4. パソコンを再起動した時、XAMPPのApacheとMySQLは自動で起動しません。再びXAMPPコントロールパネルを開き、「Start」ボタンを押して手動で起動しましょう。

2. 起動に失敗した場合の対処

3. よくある原因

phpMyAdminを起動しよう。

コントロールパネルのMySQL側の「Admin」ボタンを押すだけで、phpMyAdminを起動できます。

また、ブラウザで「 http://localhost/phpmyadmin/ 」にアクセスして起動することもできます。

phpMyAdminは、XAMPPに含まれるデータベース管理ツールです。MySQLのデータベースをGUIで操作できます。テーブルの作成やデータの追加・削除、SQLの実行も簡単に行えます。初心者でも直感的に使える便利なツールです。

phpMyAdminでデータベースを作成してみよう

今回は、phpMyAdminを使って hello_dbという名前のデータベースを作成してみます。

  1. データベース」タブを選択します。
  2. 作成する データベース名を入力します。
    • 慣例として、データベース名は アルファベットの小文字のみを使用し、 記号は "_" (アンダースコア)のみを使うのが一般的です。
    • 例: yamada_job_search, tanaka_sale_sysなど。
  3. 文字コードは「utf8mb4_general_ci」を選択します。
    • 間違えると日本語が文字化けするため、注意が必要です。
    • utf8mb4_general_ciは、日本語や絵文字を扱える現在推奨される文字コードです。
  4. 「作成」ボタンをクリックすると、データベースが作成されます。

テーブルを作成しよう

テーブルを設計する際、共通してよく使われるフィールドがあります。 例えば、ID、フラグ系、更新日時、生成日時などです。これらのフィールドは、特別な設定が必要になる場合があります。 以下の作成例を通して、テーブルの作成方法とともに、これらの頻出するフィールドの設定方法を学びましょう。


まずはテーブルの情報をとして作成します。いきなりphpMyAdminでフィールド情報を考えながら作るのでなく、最初は表として作成しておくことをおきます。その理由は次回、解説します。

jobs(求職テーブル)
フィールド Null 主キー デフォルト値 コメント
id int(11) NO PRI AUTO_INCREMENT Auto Increment
job_name varchar(50) YES NULL 職名
job_date date YES NULL 求人掲載日
delete_flg tinyint(4) NO 0 削除フラグ
updated datetime NO CURRENT_TIMESTAMP ON UPDATE CURRENT_TIMESTAMP 更新日時
created datetime NO CURRENT_TIMESTAMP 生成日時

phpMyAdminでテーブルを作成します。

phpMyAdminで先ほど作成したhello_dbのページへアクセスします。

フィールドの作成

先ほど作成したテーブル情報の表をもとに、手入力でフィールド情報を作成してみましょう。現在では、より効率的な方法もありますが、それについては次回説明します。まずは、実際に手を動かしながら、テーブル作成に必要な情報を理解していきましょう。

1. オートインクリメントの id について

id は、テーブル内の各レコード(行)を一意に識別するためのフィールドです。通常は整数型(int)として定義し、AUTO_INCREMENT を指定することで、新しいレコードが追加されるたびに番号が自動的に振られます。

id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY

2. varchar 型について

varchar は、文字列を格納するデータ型です。最大長を指定し、効率的にストレージを利用できます。

job_name VARCHAR(50)

3. date 型について

date 型は、日付情報(YYYY-MM-DD)を格納するために使用します。

job_date DATE

4. フラグ系について(0か1だけにするコツ)

フラグ系のカラムは 01 で管理することが一般的です。NULL の使用は避けるべきです。

delete_flg TINYINT(1) NOT NULL DEFAULT 0

5. 更新日時と生成日時の指定方法

created は作成時のタイムスタンプ、updated は更新されるたびに最新の日時を記録します。


created DATETIME NOT NULL DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP,
updated DATETIME NOT NULL DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP ON UPDATE CURRENT_TIMESTAMP
        

jobsテーブルの作成に成功しましたか?

最後に「保存する」ボタンを押すとテーブルが生成されます。以下の感じのテーブルが作成できればOKです。

おわりに

XAMPP をインストールし、Apache や MySQL を起動することで、ローカル開発環境を整える方法を学びました。これは、Webアプリ開発の基本となる、とても大切なスキルです。

今回は、XAMPP のインストールからデータベース・テーブルの作成までを実践しました。スムーズに進められましたか? それとも思わぬところでつまずいてしまいましたか? 実は、開発環境の構築はベテランプログラマーでも苦労することが多く、何時間も試行錯誤するのが普通です。

それでも、今回あなたは XAMPP をインストールし、起動し、データベースを作成し、テーブルまで作れました。これは、本当にすごいことです! 初めての環境構築に成功したことで、プログラミングの第一歩を踏み出しました。次回は、作成したデータベースを活用して、さらに実践的な操作を学んでいきます。一緒に、楽しみながらステップアップしていきましょう!