うつ状態のときに「明日も仕事に行かなければならない」と思うだけで、心が重く押しつぶされそうになる――そんな経験をしている人は少なくありません。
特に、責任感の強い人ほど「休むわけにはいかない」と自分を追い込みがちです。
では、うつ状態でもなんとか明日を乗り越えるには、どのような工夫ができるでしょうか? 以下に、科学的に有効とされる方法をいくつか紹介します。
仕事全体を一気に考えると脳が圧倒されます。
そこで、「今夜はお風呂に入るだけ」「明日は服を着るところまでできればOK」など、小さな行動に分解して考えることで、負担が大きく軽減されます。
不安は、未来のことを予測しすぎることで膨らみます。
「今、温かいお茶を飲む」「今、呼吸に意識を向ける」など、五感を使って“今”に意識を戻すことで、不安を落ち着かせることができます。これは「マインドフルネス」と呼ばれる方法で、多くの心理療法で推奨されています。
心の不安を抱えたまま一人で過ごすのは危険です。
「少し気分が重いんだ」と誰かに話すだけで、脳の不安中枢(扁桃体)の活動が落ち着くことがわかっています。長話でなくても、人とつながっているという感覚が心の支えになります。
ぬるめのお風呂や足湯、温かい飲み物は、副交感神経を刺激してリラックスさせます。
不安や鬱のときは交感神経(緊張・警戒モード)が働きすぎるため、意識的にリラックスモードを作ることが重要です。
うつ状態のときに「ちゃんとやらなきゃ」と思うと、できなかったときの自己否定が強くなります。
「今日は70点で十分」「行くだけでもえらい」と、自分にやさしくなることは、心の回復にとても効果があります。
うつ状態の夜、つい「明日」のことばかりを考えてしまいます。
しかし聖書には、次のような深い慰めの言葉があります。
「だから,明日のことを決して思い煩ってはなりません。明日のことは明日が心配します。その日の苦労はその日だけで十分です。」
― マタイ 6:34(新世界訳)
この言葉は、「未来を前借りして心配する必要はない」という神のやさしいアドバイスです。
今日のあなたには、「今日のぶんだけの苦労を乗り越える力」が備えられています。
そして明日には、明日のぶんの助けが必ずある――そう信じて、今夜は心と体を休めてください。
「うつのまま仕事に行くなんて無理」と思える日もあります。
でも、小さな工夫と神の言葉の力によって、“乗り越える”のではなく、“やりすごす”ことができる日もあるのです。
あなたが明日、無事に帰ってこられることが最大の成果です。
どうか自分を責めず、今日の自分に「よくがんばっているよ」と声をかけてあげてください。