これまでの自然農では、
草刈機で草を刈り、耕さずに葉野菜のタネをばらまき、刈草をかぶせる
という方法を続けてきた。
しかし、草刈機が故障してしまった。
そこで今は、1㎡ずつ、すべて手作業で畑を進めている。
1㎡単位で畑と向き合う
作業の流れはとてもシンプルだ。
まず、草がよく生えている場所を探す。
その中から、1㎡だけを選び、そこだけ草を刈る。
草を刈っていると、思いがけない発見がある。
土の中に埋もれていたイモやショウガが姿を現し、収穫できることがあるのだ。
また、すでに成長中の野菜が見つかることもある。
そういう場合は抜かずに、そのまま残して育てる。
畑は、計画通りに作る場所ではなく、
すでに生きているものを見ながら整える場所だと、あらためて感じる。
耕さず、「根切り」だけを行う
草を刈ったあとは、耕さない。
代わりに行うのが根切りだ。
鎌で土の表面を軽くひっかき、
草の根を切るようにして取り除く。
土をひっくり返さないことで、
土壌の構造や微生物の環境を壊さずに済む。
あくまで「整える」だけで、作り変えない。
混ぜてまく、未来を見越した種まき
次は種まき。
使うのは、複数の野菜の種を混ぜたものだ。
- 葉野菜
- ニンジン
- オクラ
- ウリ科野菜
- マメ科野菜
この混播によって、
時間差で収穫が続く畑を目指している。
冬の間は葉野菜。
春にはニンジン。
初夏にはウリ科やマメ科の野菜。
今まいた種は、今だけでなく、
数か月先の畑の風景をつくっていく。
ピラミッド型支柱と、草との付き合い方
支柱はピラミッド型に組んでいる。
設置も撤去も簡単で、必要なときだけ使える。
畑では、草と野菜を一緒に育てる。
ただし、草のほうが勢いづきやすい。
そこで行うのは「除去」ではなく、
散髪のようなカットだ。
鎌を振るって、草の高さだけをそろえる。
根は残し、地面も覆ったままにする。
草に埋もれなければ、野菜は育つ
草に完全に埋もれてしまえば、野菜は育たない。
しかし、埋もれていなければ問題はない。
草があっても、
光と空間が確保されていれば、
野菜は十分に育つ。
草を敵にせず、
野菜だけを主役にもしない。
1㎡ずつ、畑と対話しながら進めるこの方法は、
効率は決して良くない。
けれど、畑の声を聞く時間は、確実に増えている。
草刈機が止まったことで、
自然農は、より静かで、より確かな手触りを持つものになった。