脳と体のメカニズム ストレス理解・セルフケア

ストレスとは何か ─ 脳が体を守る「正常反応」

ストレスは「弱さ」ではなく、脳が危険・負担・変化を察知したときに体を守るために起こす生理反応です。 短期では役立ちますが、長期化すると心身の不調として表に出てきます。

短期:集中・行動の助け 中期:疲労・睡眠の乱れ 長期:体調不良・不安の増大
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ストレスとは何か(結論)

ストレスとは「脳が危険・負担・変化を察知したときに、体を守るために起こす生理反応の総称」です。

重要なのは 👉 ストレス=悪いものではない という点です。

もともとは次の目的をもつ防御システムです。

  • 生き延びるため
  • すぐ行動できるようにするため
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ストレスが起こるとき、脳で何が起きるか

① 扁桃体(へんとうたい)が「危険」を察知

  • 扁桃体は「警報装置」
  • 外敵・不安・プレッシャー・失敗の可能性などを感知
  • 現実の危険だけでなく、想像・予測でも反応する

例:上司の視線 / 〆切 / 将来への不安 👉 実際に危険がなくても作動する

② 視床下部が非常事態宣言

扁桃体の信号を受けて、視床下部が指令を出します。ここで 2つの経路 が動きます。

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体に起こる2つのストレス反応

① 自律神経ルート(即効型)

  • 交感神経が優位
  • 数秒〜数分で反応

起こること:

  • 心拍数↑
  • 血圧↑
  • 筋肉が緊張
  • 瞳孔が開く
  • 消化が抑制される

👉「戦うか逃げるか(Fight or Flight)」状態

② ホルモンルート(持続型)

  • HPA軸(視床下部→下垂体→副腎)が作動
  • 副腎からコルチゾールが分泌

コルチゾールの役割:

  • 血糖値を上げてエネルギー確保
  • 炎症を抑える
  • 集中力を一時的に高める

👉 短期なら有益、長期だと問題になる

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なぜ「ストレスが体調不良になる」のか

ストレスが長引くと起こること:

部位 影響
集中力低下、意欲低下、不安増大
自律神経交感神経が切れなくなる
免疫免疫力低下・感染しやすくなる
消化器胃痛、下痢、便秘
筋肉肩こり、頭痛
睡眠寝つけない、浅い眠り

👉 「休め」というサインが体に出る

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ストレスは「出来事」ではなく「反応」

ここがとても大切なポイントです。

ストレスの正体:「仕事」「人間関係」「騒音」

本当の正体:それをどう脳が解釈したか

同じ出来事でも:

  • 「脅威」と認識 → 強いストレス
  • 「対処可能」と認識 → ほぼストレスなし

👉 ストレスは脳内現象

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ストレスが強い人ほど真面目な理由

脳は次のような人ほど反応しやすいです。

  • 責任感が強い
  • 先を考える
  • 他人を気遣う
  • 完璧を目指す

👉 能力が高い脳ほど、ストレス反応が出やすい(これは弱さではありません)

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回復に必要なのは「意志」ではない

ストレスから回復するには「頑張って休む」では不十分です。

脳が必要としているのは:

  • 安全だと感じる時間
  • 予測できる環境
  • 評価されない時間
  • 意味を考えなくていい行動(散歩・入浴・単純作業)

👉 これが副交感神経を戻します。

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まとめ(重要ポイント)

  • ストレスは生存のための正常反応
  • 脳(扁桃体)が危険を察知すると体が動く
  • 短期は有益、長期は不調の原因
  • 問題は「量」と「持続」
  • ストレスが出る人はむしろ真面目で能力が高い
  • 回復には「安心感」が最優先

もしよければ次に「疲労との違い」「なぜ休んでも回復しないのか」「不安が夜に強くなる理由」なども、脳の仕組みから解説できます。