ダニエル11章・12章 / 終わりの日に向けた預言

ダニエル11章と12章は将来到来する「終わりの日」と預言と言われています。

古代の出来事として読める部分がある一方で、後半では歴史の枠を超えた描写が現れます。 聖書は、将来の出来事を理解しやすくするために、過去の出来事や預言成就を“見本”として示すことがあります。

概要 本文はできるだけ原文を保持

ダニエル書は、バビロンの王ネブカドネザルが見た不可解な夢を、神に示された通りにダニエルが解き明かすところから始まります。 その夢は当時の王国だけでなく、はるか将来の出来事を示すものでした。そこには、もしかすると現代の私たちが生きる時代も含まれている可能性があります。


ダニエル11章を読むと、前半は一見すると古代史そのものです。ペルシャ、ギリシャ、そして北の王と南の王の争い――これは実際に起きた歴史とよく一致します。 そのため「これはすでに成就した過去の話だ」と考える人も多いでしょう。

しかし後半に入ると様子が変わります。描写は歴史の枠を超え、「終わりの日の前に起こる出来事」として語られる内容になります。
ここで重要なのは、聖書自身が、預言の読み取り方を実例で示しているという点です。
聖書では、過去に起きた出来事が、その後に起こる出来事をより理解しやすくするための“型”として用いられることがあります。

この預言の書き方は、ダニエル書だけでなく、イザヤ書や福音書など、他の預言にも共通しています。
つまり、聖書は、将来の出来事をいきなり知らせるのではなく、一度、過去の出来事や預言成就を「見本」や「予告編」として示しているということです。

ポイント
そのダニエル11章の型の一つが、北の王と南の王の衝突です。これは単なる国同士の戦争ではなく、権力同士の対立を象徴しています。 特に北の王には、繰り返し現れる行動パターンがあります。
  • 侵略行為を行う
  • 南の王と衝突する
  • 聖なるものを冒涜する
  • 神に対抗する
  • 最後まで耐える者を試す

中でも注目されてきたのが11章31節です。

「彼らは聖なる所を汚し、常供の捧げ物を取り除き、荒廃をもたらす忌むべきものを据える」

この言葉は理解が難しく、多くの人が戸惑う箇所です。しかし重要なのは、この出来事が12章でも再び言及され、「日数を数える起点」として扱われている点です。 つまりこれは、単なる象徴的表現ではなく、「終わりの日へ向かう流れが動き出す合図」となる重要な出来事だと考えられます。

では北の王とは誰なのでしょうか。現在の社会情勢を見ると、当てはまりそうな国や勢力を思い浮かべる人もいるかもしれませんね。


ただ、ダニエルの預言は、ネブカドネザルの夢がそうであったように、解読が極めて難しいものです。ダニエル書自身もこう述べています。

「悟りのある者は理解する。しかし悪しき者は悟らない」(ダニエル12章)

すべてが分かるわけではありません。それでも、型を見ることで分かることもある――それがダニエルの預言です。