🌿 なぜ人は苦しみを「神のせい」にするのか

1️⃣ 「悪の問題」という古くからの問い

世界には、災害・病気・戦争・裏切りなど、どうしても説明できない“悪”が存在します。だから人は問います。

「神が全能で善なら、なぜ悪を許すのか？」

この疑問は古代から「悪の問題」として議論されてきました。信仰を持つ人でも、心の中で一度はこの問いにぶつかります。

2️⃣ 信頼の裏返しとしての怒り

人は神に「守ってもらえる」と信じているからこそ、悲劇が起きると「裏切られた」と感じてしまいます。これは、神を信頼していた証拠でもあります。怒りや失望の裏に、かつての信頼の深さが隠れています。

3️⃣ 責任の転嫁としての“神のせい”

つらい現実の中で、人は「なぜ自分が？」という思いを抱きます。しかし、時にそれは人間自身の選択や社会の歪みから生じている場合も多いのです。それを直視するのは痛みを伴うため、人は「神のせい」にして心を守ろうとします。これもまた、傷ついた心の自然な防衛反応です。

4️⃣ 聖書が教える苦しみの源

つまり、神が苦しみを作ったのではなく、人間が神から離れた結果として苦しみが生まれたのです。神は自由を与えましたが、それは「結果に責任を取る自由」でもありました。

5️⃣ 苦しみの中にも意味がある

ヨブ記に登場するヨブは、原因不明の苦しみに襲われながらも、「なぜ」と問う心と「それでも神を信じる」心の間で葛藤しました。その結末は、苦しみが信仰を深め、人間を浄化することがあるという教訓を残します。

6️⃣ 苦しみは永遠ではない

神は無関心ではありません。むしろ、苦しみを終わらせるためにすでに動いているのです。その時が来れば、人は再び「神は愛である」と心から言えるでしょう。

7️⃣ 神を責めるより、意味を探る視点へ

神を責めても答えは見えません。しかし、「この苦しみを通して何を学べるのか」と問うなら、そこに希望が生まれます。

苦しみは神の罰ではなく、しばしば人の成長や再生のための“通過点”。

🌅 結び

神を責める声は、実は「理解したい」という願いの裏返し。苦しみを通して、私たちはより深く「愛とは何か」「生きるとは何か」を学びます。そしていつか、「苦しみの意味」さえも感謝に変わる日が来るでしょう。