第一次世界大戦と第二次世界大戦は、聖書の預言の成就である可能性が高い

赤い月、崩れゆく都市、そして「次に来るもの」への警告

挿絵:赤い月/暗い空/天変地異(img/bible_sec06_4.png)

第一次世界大戦と第二次世界大戦は、聖書の預言の成就である可能性が高い――。もしそうだとしたら、私たちは未来に起こる出来事に真剣に注意を払う必要があります。新約聖書「ヨハネの黙示録」6章1~8節には、白・赤・黒・青白の四騎士が登場し、征服、戦争、飢饉、死をもたらす様子が描かれています。長らく象徴的な幻として解釈されてきましたが、20世紀前半の歴史と重ね合わせると、その一致は驚くほど鮮明です。


🐎 白い馬 ― 神の王国の到来を思わせる(6:1–2)

白い馬が現れた。それに乗っている者は弓を持ち、冠を与えられ、征服しに、また征服を完了するために出ていった。

この白い馬の解釈は多様ですが、古代の戦士的支配者というよりも、イエスが宣べ伝えた神の王国の支配の到来を思い起こさせると理解する人が多くいます。イエス自身、「神の王国は近づいた」(マルコ1:15)と宣言し、終わりの時代には「国は国に、王国は王国に敵対して立ち上がる」(マタイ24:7)と予告しました。つまり、白馬の出現は単なる人間の征服活動ではなく、神が定めた支配の始動を象徴し、その後に続く赤・黒・青白の馬がもたらす戦争・飢饉・死の時代を引き起こす「時代の節目」を示しているのです。


🔴 赤い馬 ― 世界規模の戦争(6:3–4)

地上から平和を取り去って、人々に無残な殺し合いをさせることを許された。大きな剣を与えられた。

第一次世界大戦は“全地的な平和の剥奪”を最初に可視化した出来事でした。塹壕戦、機関銃、毒ガス、長距離砲が産業化された殺戮をもたらし、第二次世界大戦では空襲・機甲戦・潜水艦戦・原爆へと拡大。両大戦の死者数はあわせて1億人を超え、人類史上かつてない犠牲を生みました。総力戦によって前線と銃後の境が消え、国家も民も等しく戦争に巻き込まれたのです。「大きな剣」は、破壊技術の飛躍を思わせます。

赤い月と暗い空、崩れゆく都市に怯える群衆の挿絵
赤い月と暗い空は、黙示録6章の「憤りの日」を想起させるモチーフです。

⚫ 黒い馬 ― 飢饉・インフレ・配給(6:5–6)

はかりを持っていた……小麦一リットルは一デナリ。大麦三リットルは一デナリ。オリーブ油とぶどう酒を無駄にするな。

はかり=計量は、欠乏下での厳格な配給・統制を象徴します。海上封鎖や農地荒廃は食糧不足を招き、各国で配給制が常態化。さらに1930年代には世界大恐慌が発生し、失業と貧困が深刻化。通貨価値の崩壊や物価の急騰が人々の生活を直撃しました。「油とぶどう酒を無駄にするな」という言葉は、限られた資源の選択的保護を想起させます。黒馬は、戦時と戦後に連鎖した飢餓・インフレ・経済危機をよく映しています。


💀 青白い馬 ― 死・疫病・連鎖的な大量死(6:7–8)

その名は死……剣と、食糧不足と、死に至る病気と、地上の野獣によって、人々を殺す。

青白い馬は、戦争(剣)・飢饉(食糧不足)・疫病(死に至る病気)が重層的に連鎖して大量死を生む構図を示します。第一次世界大戦末のスペイン風邪は、戦禍を上回る数千万の犠牲をもたらしました。第二次世界大戦ではホロコースト、無差別空襲、原子爆弾といった、国家権力によって遂行された文明規模の死が現実化。ダニエル書では「野獣」が地上の王国や政府を象徴するとあります。それに照らせば、ここで言う「野獣」とは人類の命を大量に奪った戦争国家や全体主義政権を指すと考えられるでしょう。


歴史の中で戦乱や飢饉、疫病は繰り返されてきました。しかし、1914~1945年は規模と影響において他に類例がありません。犠牲者は1億人を超え、戦争は世界全体に広がり、科学技術は空襲や原爆といった文明を滅ぼし得る力を人類にもたらしました。経済恐慌や世界的パンデミックも重なり、地球規模で四騎士の要素が同時に現れた唯一の時代だったのです。

⚠ 次への警告

もし、黙示録6章がこの大戦期を指しているのなら、安心してはいけません。なぜなら、この預言には続きがあるからです。 第5の封印では殉教者に「仲間の数が満ちるまで、しばし待て」と告げられます。これは今が「待機の時」であることを示すのかもしれません。

その後に続く第6の封印では「大地震」「太陽が暗く」「月が血のように赤く」「星が地に落ちる」と描かれています。山も島も動かされ、人々は恐怖にかられ、神の怒りを避けようと隠れる――まさに地球規模の天変地異の描写です。 聖書の預言は、「その日」が突然訪れると警告しています。⏳


挿絵についてのメモ