現在の世界に見られる暴力を象徴する1024×1024のイメージ(戦争・いじめ・家庭内暴力・核の脅威など)
現在の社会に点在する多様な暴力を象徴するイメージ

これは単に「最初の殺人者」という意味ではなく、 死と暴力を人間社会に導入した張本人 という広い意味を持っています。


1. 人類が神から離れた結果としての“殺人者”

聖書の物語は、創世記3章に登場する「蛇」から始まります。サタンは神のことばを曲げ、 人に「神に従わなくても大丈夫だ」と不信を植え付けました(創世記 3:1–5)。 その結果、人間は命の源である神から離れました(詩編 36:9)。

ローマ 5:12 の要点
「一人の人によって罪が世界に入り、罪によって死が入り込んだ」── 本来、人は永遠に生きるはずでしたが、罪のため死ぬ存在となりました。 もし罪人が永遠に生き続けるなら、世界は理不尽で耐え難いものになります。

ですからサタンは刃物を握らずとも、 虚偽と誘惑によって人類全体を死に巻き込んだ張本人であり、 「始まりから人殺し」と呼ばれるのです。

2. 暴力の文化を広めたサタン

神から離れると、人は自制心や愛よりも、自己中心・嫉妬・支配欲に傾きます(テモテ第二 3:3)。 その結果、創世記4章ではカインが弟アベルを殺しました。聖書は 「カインは邪悪な者に属していた」と記し(1ヨハネ 3:12)、 背後にサタンの影響があったことを示します。

サタンが作った流れ:

  1. 神との断絶を誘発
  2. 罪と死の支配を開始
  3. 暴力を人間関係の“普通の選択肢”にする

こうして暴力の文化が社会に根付いたのです。

3. この世の支配者としてのサタン

聖書は「全世界は邪悪な者の支配下にある」(1ヨハネ 5:19)と述べます。 サタンは“この世の支配者”(ヨハネ 12:31)として人々の価値観と欲望の流れを操り、 暴力は制度化・娯楽化され、ときに英雄視されるようになりました。 映画やスポーツでの過度な暴力描写に惹かれてしまう現象も、その一部と言えるでしょう。

この意味でサタンの“殺人”は、単発の事件ではなく、 人類の歴史全体を死と暴力の文脈に置いた行為なのです。

4. 現代社会に表れる暴力の極み

家庭内の虐待や学校のいじめ、街頭犯罪、国家間の戦争まで、暴力はあらゆる層に存在します。 さらに人類は「核兵器」という、人類そのものを滅ぼしかねない究極の暴力を生み出しました。 これは、サタンが根付かせた暴力文化の行き着いた先だと言えるでしょう。

5. 暴力は終わる希望がある

聖書は、終わりの日にこれらの暴力がすべて一掃されると約束しています。 詩編11:5には「エホバは暴力を愛する人を憎む」とあります。 神は暴力そのものを容認なさらず、サタンが築いた暴力の世界は長続きしません。 神によって必ず終わりが来るのです。